総合型選抜の準備は「問い」から 高1・高2の考え方
総合型選抜と学校推薦型選抜は、文部科学省の実施要項で出願時期や評価の方法が決められています。高1・高2のうちに考えておきたい準備を、学びたいことの見つけ方から整理します。
秋は、高3の人が総合型選抜や学校推薦型選抜に動き出す季節です。高1・高2の人にとっては、「自分は何を準備すればよいのか」を知るのにちょうどよい時期です。この記事では、制度のしくみと、準備の考え方を整理します。
総合型選抜と学校推薦型選抜のしくみ
大学の入学者選抜の方法は、毎年、文部科学省が「大学入学者選抜実施要項」で示しています。ここでは令和9年度入学者向け(令和8年5月27日付け)の内容をもとにします。
| 選抜の種類 | 要項での説明(要点) | 出願・発表の時期(令和9年度入学者向け) |
|---|---|---|
| 総合型選抜 | 詳細な書類審査と、時間をかけた丁寧な面接などで、能力・適性や学習への意欲、目的意識を総合的に評価する。志願者が自分の意志で出願できる公募制 | 願書の受付は令和8年9月1日以降、判定結果の発表は11月1日以降 |
| 学校推薦型選抜 | 出身高校の校長の推薦にもとづき、調査書を主な資料として評価する | 願書の受付は令和8年11月1日以降、判定結果の発表は12月1日以降 |
要項に書かれているのは、あくまで全大学に共通する決まりです。実際の出願期間、提出書類、選考の方法は大学・学部ごとに異なります。
評価されるのは何か
実施要項では、どちらの選抜でも次のような点が求められています。
- 志望する学問分野に対する意欲や適性を確かめる面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などを含む)を行う
- 大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力を、書類だけでなく、小論文や共通テストなどの方法のうち少なくとも一つで評価する
- 総合型選抜では、志願者本人が書く資料(活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書など)を必ず評価に使う
大学入学希望理由書や学修計画書には、入学したい理由、入学後に学びたい内容・計画、卒業後を見すえた目標を書く、と要項に示されています。つまり、問われているのは「この学部で何を学び、どう取り組みたいか」です。
高1・高2からの準備は「問い」を持つこと
1. 気になったことをメモにする
授業、ニュース、部活動、地域の行事など、きっかけは何でも構いません。たとえば「自分の町の商店街から人が減っているのはなぜだろう」「川の水がきれいな町と、そうでない町のちがいは何だろう」のように、疑問の形で書き留めておきます。こうした疑問は、地域の課題を扱う地域・環境社会の学問や、環境・森林科学などにつながることがあります。ほかの分野でも同じです。疑問がどの学問に近いかは、あとから調べれば分かります。
2. 活動の記録を残す
探究の時間、委員会、ボランティア、読んだ本などについて、日付、やったこと、気づいたことを短く残します。高3になってから思い出そうとすると、細部が抜け落ちます。ふだんから残しておくと、活動報告書や面接で、事実にそって話せます。
3. 学問と大学の学びを調べる
学部の名前だけでは、中身は分かりません。同じ名前の学部でも、大学によって授業の内容が違うことがあります。気になる学問があれば、学問の一覧から、その学問を学べる大学を見て、大学の公式ページでカリキュラムを確かめます。
編集部は、志望理由は「この大学のこの授業やゼミで、この問いを深めたい」と具体的に書けるほど、自分の言葉になると考えます。
学校推薦型選抜では高校との相談が前提になる
学校推薦型選抜は、志願者の意志だけで出願するものではなく、高校の校長が推薦する形です。大学は推薦の要件をできるだけ具体的に募集要項で示すことになっています。調査書が主な資料になるため、日ごろの学習や学校生活の記録も大切です。
早い段階で担任や進路指導の先生に、「どんな大学・学部に、どんな要件があるか」を相談しておくと、準備の見通しが立てやすくなります。
次にやること
出典・参考にした公式情報
この記事の学問を学べる大学
大学・学部の情報は、大学の公式発表と公的機関の資料をもとに確認日を添えて載せています。学費・入試・制度は変わることがあるため、最新の情報は各大学の公式サイトでご確認ください。