公認心理師になるには 学部と大学院の関係
公認心理師は心理職で唯一の国家資格です。受験資格は大学・大学院での科目履修と実務経験の組み合わせで決まります。学部選びの前に知っておきたい仕組みを、公的資料にもとづいて整理します。
公認心理師とは
公認心理師は、2015年に成立した公認心理師法にもとづく国家資格です。厚生労働省の説明では、保健医療、福祉、教育などの分野で、心理学の専門的な知識と技術をもって次のような仕事をする人とされています。
- 心理の状態を観察し、分析する
- 悩みをもつ本人に、相談に乗ったり助言したりする
- 本人の家族など、関係する人に相談や助言をする
- 心の健康についての知識を広める
働く場所は一つに決まっていません。病院、学校、福祉施設、行政機関など、法律が想定する分野は広くなっています。
名称のルール
公認心理師法には、公認心理師でない人は「公認心理師」という名称を使ってはならない、という決まりがあります。これを名称独占といいます。一方で、心理学を学んだ人が相談や支援の仕事をすること自体が禁じられているわけではありません。
「心理系の仕事」には、公認心理師のほかに民間の資格もあります。資格を調べるときは、国家資格か民間資格かを区別して読むと混乱しません。
受験資格の考え方
受験資格は、公認心理師法第7条に定められています。新しく大学に進学する人に関わるのは、おもに次の3つの道です。公認心理師試験研修センターでは、これらを区分A・B・Cとして案内しています。
| 区分 | おもな内容 |
|---|---|
| A | 大学で指定科目を履修して卒業し、さらに大学院で指定科目を履修する |
| B | 大学で指定科目を履修して卒業し、決められた施設で規定の期間以上の実務経験を積む |
| C | 文部科学大臣・厚生労働大臣が、AやBと同等以上の知識・技能があると認定する |
区分Cは個別の審査になるため、はじめから計画する道ではなく、例外的な場合の仕組みと考えるのが自然です。
大学で必要になること
どの道でも、まず大学で国が定めた科目を履修する必要があります。ここで大事なのは、「心理学科」という名前だけでは足りないことです。同じ心理学科でも、指定の科目をすべてそろえている大学と、一部しか開いていない大学があります。
大学院か、実務経験か
区分Aは大学院に進む道、区分Bは大学卒業後に働きながら経験を積む道です。大学院に進む場合は、そこでも指定の科目を履修できるかを確かめます。実務経験の道では、経験を積む施設が条件に合っているかが重要です。
学部選びで確かめたいこと
公認心理師を視野に入れるなら、大学のウェブサイトやパンフレットで、次のような点を見ておきます。
学部の名前にとらわれすぎない
心理学を学べる学部は一つではありません。たとえば、次のような入口があります。
- 心理学部・心理学科
- 教育学部(学校や子どもの発達に近い学び)
- 社会学部や福祉系の学部(人と社会の関わりに近い学び)
編集部は、「資格の条件を満たしているか」を学部の名前ではなく科目の一覧で見る習慣が、学部選びで役に立つと考えます。
上のカードは、大学のページの見方を知るための例として並べたものです。どの大学が適しているかを示すものではありません。
学部のあとの道は一つではない
心理学を学んだ人の進路は、公認心理師だけではありません。企業の人事や企画、公務員、教員など、人と関わる仕事に学びを生かす人もいます。「資格を取る」と「学んだことを別の仕事に生かす」は、どちらも選べる道です。
資格をめざす場合も、大学院を含めて学ぶ年数が長くなります。保護者の方は、学費や生活費の計画も一緒に考えておくと安心です。奨学金や学費の調べ方は、サイト内の記事でも整理しています。
次にやること
出典・参考にした公式情報
この記事の学問を学べる大学
大学・学部の情報は、大学の公式発表と公的機関の資料をもとに確認日を添えて載せています。学費・入試・制度は変わることがあるため、最新の情報は各大学の公式サイトでご確認ください。