大学ポートレートを探究と面談で使う 先生向けの手順
大学の教育情報を共通の形式で公表する「大学ポートレート」。専攻分野や取得可能な資格で絞り込む使い方を、探究の時間と進路面談の場面に分けて整理します。
大学ポートレートとは何か
大学ポートレートは、大学の教育情報を公表するウェブサイトです。国公私立の大学・短期大学の9割以上、約1,000校が参加しています(2026年10月に公式サイトで確認)。運営は、大学改革支援・学位授与機構が日本私立学校振興・共済事業団と連携して行っています。
ひとつの大学について、次のような項目が載っています。
- 教育上の目的等
- 入試
- 進路
- 教員
- キャンパス
- 学部・研究科等の特色
- 教育課程(カリキュラム)
- 学費・奨学金等
- 学生
公式の説明には「大学を比較するためのものではありません」とあります。それぞれの大学の特色や、どんな教育をしているかを知るための道具、という位置づけです。順位をつける使い方は、設計の趣旨とも合いません。
絞り込みの軸を使う
検索画面には、大学名を入れなくても使える軸があります。
専攻分野
分野は「人文科学系」「社会科学系」「教育学系」「理学系」「工学系」「農・水産・獣医系」「医療・保健学系」「生活科学系」「芸術学系」「総合・学際部・国際系」に分かれています。学部名が似ていても、中身が違うことは珍しくありません。分野から入ると、名前の印象に引きずられにくくなります。
取得可能な資格
「教育系」「医療系」「福祉系」「建築系」などから選べます。表示は、卒業時に取得できる資格、国家試験の受験資格が得られるもの、その他、に区別されています。生徒が「資格が取れる」と書いていたら、どの区分なのかを一緒に確かめましょう。
そのほかの条件
「奨学金あり」「授業料減免あり」「学生寮あり」「高等教育の修学支援新制度の対象校」などでも絞れます。保護者との話し合いの材料になります。
探究の時間での使い方
文部科学省は、高等学校学習指導要領(平成30年告示)の解説で、総合的な探究の時間の考え方を示しています。探究は、課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現を繰り返していく学習です。
大学ポートレートは、このうち「情報の収集」と「整理・分析」の教材になります。
50分の組み立て例
| 時間 | 活動 |
|---|---|
| 10分 | 気になる学問を一つ決める(例:法、農、デザイン) |
| 20分 | 専攻分野で絞り、同じ系統の学部の教育課程を二つ読む |
| 15分 | 科目名から「何を学ぶ学部か」を自分の言葉でまとめる |
| 5分 | 分かったことと、まだ分からないことを書く |
同じ「農・水産・獣医系」でも、科目の並びを読むと、扱う対象や方法が違うことに気づきます。生徒が見つけるのは優劣ではなく、違いです。
進路面談での使い方
面談では、先生が答えを出すより、生徒に問いを返すほうが話が進みます。画面を一緒に見ながら、次のように聞いてみてください。
- この科目名のうち、いちばん話を聞いてみたいものはどれですか。
- 「進路」の項目を見て、気になった点はありますか。
- 分からない言葉は、どれですか。
「進路」の項目には、大学が公表した卒業後の状況が載っています。年度や集計の範囲は大学ごとに異なるため、「◯年度に大学が公表した実績」として読むよう伝えてください。就職率の読み方は、サイト内の記事「就職率」と「主な就職先」の読み方でも整理しています。
使うときの注意
- 掲載の更新時期は大学ごとに異なります。画面にある更新日を見るよう伝えてください。
- 資格は、学科やコースによって条件が違うことがあります。学部の一覧だけで判断しないでください。
- 編集部は、大学ポートレートを「最初の一歩の資料」と考えます。気になる大学が見つかったら、その大学の公式サイトとオープンキャンパスで確かめる流れが、無理のない順番だと考えます。
次にやること
出典・参考にした公式情報
この記事の学問を学べる大学
大学・学部の情報は、大学の公式発表と公的機関の資料をもとに確認日を添えて載せています。学費・入試・制度は変わることがあるため、最新の情報は各大学の公式サイトでご確認ください。